「そろそろ外壁を塗り替えたいけれど、うちの外壁って何でできているんだろう」
お見積りのご依頼をいただくとき、この質問を本当によくいただきます。外壁材の種類がわかると、塗り替えの時期も、必要な工事の内容も、かかる費用の目安も見えてきます。逆に言えば、種類がわからないままでは何も判断できません。
この記事では、横浜市で外壁塗装をしている私たちが、ご自宅の外壁材を見分ける方法を現場写真つきで解説します。専門知識がなくても、家の外に出て5分見るだけで、かなりのところまで絞り込めます。
まずは結論から。3ステップでだいたい絞れます
細かい話に入る前に、全体の流れをお伝えします。この順番で進めるのが一番早いです。
- 家の書類を探す建築図面や外部仕様書が残っていれば、そこに答えが書いてあります。5分で確実に終わります。
- 継ぎ目(目地)を見る書類がない場合は、外壁の継ぎ目を探します。あるかないかで大きく2つに分かれます。
- 幅・厚み・音で確定させる継ぎ目の間隔を測ったり、壁を叩いたりして絞り込みます。
そして日本の戸建て住宅の外壁は、その約7割が窯業系サイディングです。迷ったらまずこれを疑う、というのが出発点になります。
最短ルートは「家の書類」を見ることです
見分け方の話をする前に、身も蓋もない事実をお伝えしておきます。外壁を眺めるより、家を建てたときの書類を見るほうが確実で早いです。
次のような書類が残っていないか、探してみてください。
- 建築図面(仕上表・仕様書)
- 外部仕様書
- 引き渡しのときに受け取った外壁材のパンフレット・カタログ
- 住宅の保証書や点検記録
これらに「窯業系サイディング」「ALCパネル」といった記載や、メーカー名・製品名が載っていることがあります。製品名がわかれば、そのメーカーのサイトで詳しい仕様まで確認できます。
中古で購入された方や、書類が見当たらない方は、次章からの見分け方に進んでください。ここからが本題です。
写真で覚える、外壁材を見分ける5つのポイント
実際に外に出て、ご自宅の壁を見ながら読んでいただくのが一番わかりやすいと思います。上から順に確認していけば、かなり絞り込めます。
ポイント1:継ぎ目(目地)があるか、ないか
まず探すのは目地です。ボードを何枚も張り合わせて仕上げる外壁材には、ボードとボードのつなぎ目に必ず継ぎ目が生まれます。ここにシーリング材(コーキング)を充填して、雨水の侵入を防いでいます。
ざっくり分けると、こうなります。
- はっきりした継ぎ目がある:窯業系サイディング、ALCパネルの可能性が高い
- 継ぎ目がまったくない:モルタルの可能性が高い
ただし、ここに大きな落とし穴があります。
この写真を見てください。横方向に何本も走っている茶色いラインは、レンガ調に見せるための模様の溝です。ボードの表面にデザインとして刻まれているだけで、つなぎ目ではありません。
一方、中央を縦に走っている線が本物の継ぎ目です。ここにシーリング材が充填されていて、劣化したら打ち替えが必要になります。
「目地を見てください」とお伝えすると、多くの方がこの2つを混同されます。模様の溝を数えても外壁材はわかりませんし、逆にここを見分けられるようになると、次の落とし穴も避けられます。
実際にあった話:「目地も交換するんでしょう?」
以前、レンガ調の外壁のお宅からお問い合わせをいただいたときのことです。お客様から「目地も交換するんでしょう?」とご質問をいただきました。
ところがそのお宅の外壁は金属サイディングで、しかも継ぎ目が見えないタイプのものでした。レンガ調の柄が入っているので目地があるように見えるのですが、打ち替えるべきシーリングがそもそも存在しないのです。
金属サイディングは、ボード同士を「かん合」という噛み合わせで接続します。そのため継ぎ目が表に出てこず、シーリングの打ち替えが不要になります。これは金属サイディングの大きなメリットのひとつです。
つまり「継ぎ目がない=モルタル」とは限りません。レンガ調・石積み調・木目調など、金属サイディングには他の素材そっくりの柄が数多く用意されています。判断に迷ったら、次のポイント5の「叩く・磁石」まで進んでください。一発でわかります。
ポイント2:継ぎ目の位置と、幕板を見る
継ぎ目が見つかったら、次はその位置を確認します。
窯業系サイディングは、ほとんどの製品が長さ3,030mm(約3m)で作られています。そのため地面から約3mの高さ、ちょうど1階と2階の境目あたりに、水平方向の継ぎ目が現れます。
この高さに幕板(1階と2階の間に横向きに取り付けられた化粧板)がついているお宅も多くあります。継ぎ目を隠して見栄えをよくするためのものなので、幕板があること自体が窯業系サイディングを示すヒントになります。
ALCパネルの場合は、縦・横すべての目地にシーリングが施されているのが特徴です。窯業系サイディングは縦方向の継ぎ目と切断部にシーリングを使うのが一般的なので、すべての目地がシーリングで囲われていればALCの可能性が高いと判断できます。
ポイント3:継ぎ目から継ぎ目までの幅を測る
メジャーがあれば、より確実です。継ぎ目から継ぎ目までの距離を測ってみてください。
- 約455mm または約910mm:窯業系サイディングでほぼ間違いありません
- 300〜600mmでバラつきがある:ALCパネルの可能性
- それ以外:金属サイディングは製品ごとに幅が異なるため、幅だけでは判断できません
455mmと910mmという数字は、日本の建築の基本寸法(尺モジュール)から来ています。この数字にきれいに収まるようなら、まず窯業系サイディングと考えて差し支えありません。
ポイント4:壁の厚みを見る
厚みは、ALCかどうかを判断するのに特に有効です。
- ALCパネル:薄型でも35mm、厚型だと100mm以上
- 窯業系サイディング:14〜18mm程度
並べてみると、ALCは倍以上の厚みがあります。測る場所は、窓のサッシまわりが便利です。窓枠から外壁表面までの見込み(奥行き)を見ると、壁の厚みが目で確認できます。「うちの壁、やけに分厚いな」と感じたら、ALCの可能性が高いです。
ポイント5:叩いた音を聞く、磁石を当てる
最後に、確定させるための2つの方法です。
叩く:壁を軽くコンコンと叩いてみてください。金属サイディングなら、金属特有の高く響く音がします。窯業系サイディング、モルタル、ALCはセメント系の材料なので、もっと鈍い音になります。
磁石を当てる:これが一番わかりやすいかもしれません。冷蔵庫に貼るような磁石を壁に当てて、くっつけば金属サイディングです。他の外壁材には反応しません。
ご注意ください。叩くときは、必ず手が届く高さの範囲で、優しく行ってください。脚立を使って高所を確認するのは危険です。また、外壁が傷んでいる状態で強く叩くと、破損してしまうことがあります。少しでも不安を感じたら、無理をせず私たちのような塗装業者にお声がけください。
モルタルは「仕上げ」まで見ると、もっとわかります
継ぎ目がなく、表面に細かい凹凸があればモルタルです。ただ、モルタルというのは下地の呼び名であって、実際に目に見えているのは表面の仕上げです。この仕上げの種類まで見分けられると、塗り替えの判断がぐっと具体的になります。
代表的なのは次の3つです。
- リシン:細かい砂粒を吹き付けた、ザラザラした仕上げ。表面がマットで、いちばん見かける種類です
- スタッコ:リシンより凹凸が大きく、厚みがあって重厚な質感
- 吹き付けタイル:玉状の模様がボコボコと浮き出ていて、表面にツヤがあることが多い
見分け方は簡単で、手で軽く触ってみることです。砂のようにザラザラしていればリシン。手にはっきり白い粉がつくようなら、それはチョーキング現象といって、塗膜が寿命を迎えているサインです。
もうひとつ、モルタルで必ず確認していただきたいのがひび割れ(クラック)です。モルタルは職人が現場で塗り上げる材料なので、建物の動きや乾燥収縮でどうしてもひびが入ります。髪の毛程度の細いひびならすぐに問題にはなりませんが、幅0.3mmを超えるひびは、そこから雨水が入り込みます。
外壁材8種類の早見表
ここまでの内容を、種類ごとにまとめました。ご自宅がどれに当てはまりそうか、確認してみてください。
| 外壁材 | 見た目の特徴 | 見分けるポイント | 塗り替えの目安 |
|---|---|---|---|
| 窯業系サイディング | 板を張り合わせた外観。柄の種類が非常に豊富 | 455mm・910mm間隔の継ぎ目。約3mの高さに横目地や幕板 | 7〜10年 |
| 金属系サイディング | レンガ調から木目調まで多彩。軽くてシャープな印象 | 磁石がつく。叩くと金属音。継ぎ目が見えないことが多い | 10〜15年 |
| 樹脂系サイディング | 塩化ビニル製。日本の戸建てでは少数派 | 非常に軽い。継ぎ目にシーリングがない | 基本的に塗装不要 |
| 木質系サイディング | 木そのものの質感と経年変化 | 見た目でわかる。木目が本物 | 5〜10年(こまめに必要) |
| モルタル | 継ぎ目のない一枚壁。表面に細かい凹凸 | 継ぎ目がない。触るとザラザラ。ひび割れが出やすい | 8〜12年 |
| タイル | 本物の焼き物。重厚で高級感がある | 硬く冷たい手触り。色あせがほとんどない | タイル自体は塗装不要。目地とシーリングの補修が中心 |
| ALC | 厚みのあるパネル。表面に細かい気泡 | 厚さ35mm以上。縦横すべての目地にシーリング | 10〜15年(防水塗装が必須) |
| RC(鉄筋コンクリート) | 打ちっ放しのコンクリート面 | 継ぎ目がなく、非常に硬い。型枠の跡が残ることも | 10〜15年(撥水材の塗り直し) |
※スマートフォンでご覧の方は、表を横にスクロールできます。塗り替えの目安は建物の環境によって前後します。
種類がわかると、塗り替えの時期がわかります
外壁材がわかったら、次に知りたいのは「うちはいつ塗り替えるべきなのか」だと思います。
判断の軸は2つあります。築年数(または前回の塗装からの経過年数)と、今の劣化のサインです。上の表の目安年数に近づいていて、次のような症状が出ていれば、点検を受けるタイミングです。
- 壁を触ると手に白い粉がつく(チョーキング現象)
- ひび割れがある。特に幅0.3mm以上のもの
- シーリングが痩せている、切れている、剥がれている
- コケや藻が生えている、汚れが落ちにくくなった
- 塗膜が膨れている、めくれている
特に窯業系サイディングのお宅は、外壁本体よりシーリングのほうが先に寿命を迎えます。壁はまだきれいでも、目地が切れていればそこから雨水が入り、下地を傷めます。「壁はまだ大丈夫そうだから」と先延ばしにして、いざ工事となったときに補修費用が膨らんでしまうケースは少なくありません。
塗り替えにかかる費用の目安は、塗装の料金表にまとめています。外壁材や広さ、選ぶ塗料によって変わりますので、あわせてご覧ください。
横浜の戸建てで実際に多いのは、この2つです
ここからは、私たちが横浜市で実際に工事をしてきたなかで感じていることをお伝えします。累計2,000棟以上の外壁を見てきましたが、横浜の戸建てで圧倒的に多いのは、モルタルのリシン吹きと、窯業系サイディングの2つです。
ざっくりとした傾向として、築年数の古いお宅ほどモルタルのリシン吹きが多く、比較的新しいお宅は窯業系サイディングが中心という印象です。この記事を読んでいる横浜市内にお住まいの方は、まずこの2つのどちらかを疑っていただくのが早いと思います。
もうひとつ、横浜ならではの注意点があります。海沿いのエリアにお住まいで、外壁が金属サイディングの場合は、錆に注意してください。
日本金属サイディング工業会が公開している資料でも、海浜地区や交通量の多い道路の周辺、鉄道の周辺は、一般の地域と比べて錆が発生しやすい環境だとされています。磯子区や金沢区、中区の海側にお住まいの方は、この条件に当てはまります。
特に雨が直接当たらない場所ほど、汚れや潮の成分が洗い流されずに残ります。軒下、バルコニーの下、庇の下といった箇所は、定期的に水で流していただくだけでも寿命が変わります。
横浜だと、この「海浜地区」に当てはまるのが中区の新山下・本牧・根岸湾沿いあたりです。実際にどのくらい影響が出るのかは横浜市中区の外壁塗装で、気象庁のデータと施工事例をもとに書いています。
どうしても判断できないときは、見てもらってください
ここまで5つのポイントをご紹介しましたが、正直に申し上げると、似たデザインの外壁材が増えていて、判断が難しいケースは確実にあります。
印刷技術が進歩したことで、金属サイディングが石材そっくりに見えたり、窯業系サイディングがタイル張りのように見えたりします。先ほどのお客様の例のように、プロでなければ気づきにくい違いも珍しくありません。
そして外壁材の種類を間違えたまま工事の話を進めてしまうと、必要のない工事が見積もりに入っていたり、逆に本当に必要な補修が抜け落ちていたりします。外壁材の判別は、適正な見積もりの出発点です。
私たちは無料で点検・お見積りを承っています。外壁材の判別だけでも構いませんので、お気軽にお声がけください。高い場所や見えにくい部分は、ドローンによる外壁調査で確認することもできます。
「うちの外壁、結局どれだろう?」
その場でお答えします
点検・お見積りは無料です。
一級塗装技能士・塗装職業訓練指導員が在籍する横浜の塗装専門店が対応します。
まとめ
ご自宅の外壁材を見分ける方法を、5つのポイントに整理してご紹介しました。最後にもう一度おさらいします。
- まずは建築図面や外部仕様書を探す。これが一番確実で早い
- 継ぎ目を探す。ただし「柄の溝」と「本物の継ぎ目」は別物
- 継ぎ目の間隔が455mm・910mmなら窯業系サイディング
- 壁が分厚ければALC、磁石がつけば金属サイディング
- 継ぎ目がなくザラザラしていればモルタル。リシン吹きが多い
外壁材がわかれば、塗り替えの時期も、必要な工事の内容も見えてきます。そして手に白い粉がつくようなら、それは塗り替えを考えるタイミングです。
私たちホーム・インテリジェンスは、横浜市磯子区に本社を構える外壁塗装・屋根リフォームの専門店です。創業から12年、横浜市内で2,000棟以上のお住まいを手がけてきました。施工事例や費用の目安、保証の内容は横浜の外壁塗装専門店ホーム・インテリジェンスのトップページにまとめていますので、あわせてご覧ください。