外壁リフォームとは、住宅の外側を覆っている外壁をメンテナンスすることです。
その種類として外壁塗装と呼ばれる方法があり、建物の景観や機能性を維持するために定期的に必要となります。
外壁塗装以外にもリフォームの工法はあるため、どのような違いがあるかも知ったうえで、最適な方法を選ぶことが大切です。
また、外壁リフォームでは工事が必要となるため、どのような工程で進むかを把握し、近隣への配慮も必要となります。
この記事では、外壁リフォームの種類や基礎知識、作業の流れを解説します。
外壁塗装と外壁リフォームの基礎知識
外壁リフォームは外壁塗装の一環で、その名前の通り、外壁や他の付帯する建物に塗装を行うことです。
ここでは、外壁塗装と外壁リフォームの基本的な知識を紹介します。
外壁塗装とは
外壁塗装とは、外壁を保護するために新たな塗料を塗装することです。
風雨や太陽の紫外線にさらされている住宅の外壁は、月日とともに耐久性や機能性が低下していきます。外壁塗装はこれらを防ぐために行う塗装です。
一般的な外壁塗装で採用される工法として、刷毛塗りや吹き付け塗装、吹き付け塗装があります。狭い面積や細かいところを塗装する際には刷毛塗り、広い面を一気に塗装するときは吹き付け塗装など、状況に応じて使い分けるのが一般的です。
また、立体感やツヤ、重厚感を出したいときには吹き付け塗装が行われます。
外壁塗装では使用する塗料によって耐久年数が異なっており、どの塗料を選ぶかによって効果が変わります。中には、20年以上の耐用年数を持つ塗料もあり、長期的な効果を得ることも可能です。
外壁リフォームとは
外壁リフォームとは、劣化した外壁に塗装や補修を施すことで、外壁塗装もリフォームの種類に含まれます。
他にも、カバー工法や張り替え工法などがあるため、費用や外壁の状況に応じて外壁リフォームを選ぶ必要があります。ここでは、カバー工法や張り替えと外壁塗装の違いを見てみましょう。
カバー工法と外壁塗装の違い
外壁カバー工法は、古い外壁の上に新しい外壁を重ね張りする外壁改修工事です。
主に金属サイディングを張って外壁を仕上げ、経年劣化が激しかったり、雨漏りが発生したりしている外壁に効果的な工法といえます。
これまでの外壁を撤去せず、その上から新しい外壁を張り付けるため、撤去費用や廃材処理費がほとんど発生しません。外壁が二重になることによって、断熱性や遮音性が高まるメリットもあります。
ただし、外壁塗装の方がカバー工法に比べると費用や工期も短めとなっています。
張り替えと外壁塗装の違い
外壁の張り替えは、これまでの外壁を撤去し、新しい外壁に張り替える外壁改修工事です。
外部に補修不可能な不具合や寿命が発生し、外壁工法を行えるだけの強度がない場合に行います。外壁を取り外すため、その内側もお手入れできるメリットがあり、外壁材も自由に選べるため、大胆なイメージチェンジも可能です。
ただし、撤去費用や廃材処理費が発生するため、外壁塗装やカバー工法に比べると費用は高くなります。
外壁塗装・リフォームの目的
外壁塗装・リフォームは定期的に必要となります。
ここでは、外壁塗装・リフォームを行う目的を紹介します。
建物の美観を保つ
外壁は常に風雨や紫外線にさらされており、色あせや塗膜の汚れが発生するため、建物の美観を保つために外壁塗装・リフォームが必要です。
外壁塗装・リフォームを行うことによって、劣化していた外壁をきれいにし、新築のような状態を取り戻すこともできます。美観を保持することは、外観を美しくするだけでなく、住宅全体の印象を改善し、居住者の満足度を高められるでしょう。
また、将来的に住宅の売却を検討している場合、外壁の状態が悪化していると市場価値も下がってしまいます。市場価値を残して高く売れやすい状態を作るためにも、建物の美観を保つことは重要といえるでしょう。
外壁の機能を保つ
外壁塗装・リフォームを行う理由は、風雨や紫外線、汚染物質などから建物を守って、外壁の機能を保つためです。
建物は日々外気にさらされることによって経年劣化して機能が低下するため、定期的にメンテナンスをしなければなりません。外壁塗装・リフォームを行わずに放置してしまった場合、建物の防水性の低下を招いてしまい、建物の基礎部分まで腐食が進みます。
最近はさまざまな塗装の材料が増えており、断熱性や耐震性などを強化する外壁リフォームも人気です。早めに外壁リフォームを行って雨水の侵入口となりそうな場所を補強することで、雨水の侵入を抑えられ、建物の寿命を延ばすことにもつながるでしょう。
放置するとリフォーム以上の金額がかかることも
外壁塗装・リフォームを適切なタイミングで行わずに放置していると、最終的に大きなコストが発生する可能性もあります。
なぜなら、建物の劣化によって外壁自体を張り替えたり、家を建て替えたりなど、大きな工事が必要となるためです。工事の規模が大きくなってくると仮住まいの確保も必要となり、さらにかかる費用も多くなると考えられます。
「外壁塗装は費用がかかるから・・」と放置していると、最終的にはもっと費用がかかる可能性もあるため注意が必要です。
定期的に外壁の状態をチェックし、劣化や問題が見られる場合は早めに対処しましょう。
外壁塗装・リフォームの期間・タイミング
建物の機能や美観のために外壁塗装・リフォームは必要ですが、実際にいつ行えばよいのでしょうか。
ここでは、外壁塗装・リフォームの期間やタイミングを紹介します。
外壁塗装にかかる期間
外壁塗装にかかる期間の目安は7〜14日です。
実際にかかる期間は季節や雨の有無、職人の数によっても変わり、1か月以上かかるようなケースもあります。外壁の汚れがひどかったり、劣化が著しく進んでいたりする場合も、期間が延びる可能性があるでしょう。
外壁塗装に加えて屋根塗装も一緒に行う場合は、3日ほど余分にかかるため、天候がいい季節であっても余裕をもって2週間は見ておくとよいでしょう。
また、極端に短い納期を提案してくる施工業者には注意が必要です。期間が短いということは何らかの重要な工程が抜かれていたり、手を抜いたりしている可能性が高く、塗装の耐久性も低下する可能性があります。
前回塗装を基準に判断する
外壁の塗膜は約10年くらいから劣化が始まるため、劣化の状態によって変わるものの、10年に1回のペースで塗り替えるのが基本です。
耐用年数が長い外壁材を使っている場合は、10年経過していても、きれいな状態を保っていることも多くあります。特に金属系や木質系、樹脂系サイディングやALCボードは耐用年数が長く、その一方でモルタルや窯業系サイディングは短めです。
2回目以降の外壁塗装は塗料ごとの耐用年数でタイミングが異なり、アクリル系なら5~7年、シリコン系なら10~13年となります。
家の状態から判断する
以下の症状が現れた際も、外壁塗装のタイミングの目安となります。
- 外壁表面を触ると粉状のものが付着する(チョーキング)
- 外装材に使われている鉄部にサビがある
- 色あせ
- 大きなひび割れ
- 塗膜の剥がれ
- コーキングの亀裂
- 外壁にコケがたくさん生えている
これらは建物が劣化しているサインであり、早めに外壁塗装を行い、機能性を回復させる必要があります。放置すると建物全体の寿命が縮む可能性もあるため、次の外壁塗装のタイミングが先でも、業者に相談して前倒しすることをおすすめします。
外壁塗装の流れ
外壁塗装を行うためには、業者に依頼して施工してもらう必要があります。
ここでは、外壁塗装の流れを紹介します。
外壁塗装・リフォーム業者を選ぶ
外壁塗装・リフォーム業者を選ぶポイントとして、自社施工を行っている地域密着型の業者が挙げられます。
自社施工業者をおすすめする理由は、中間マージンが発生しないことや、スタッフ同士の連携が取りやすくトラブルが少ないためです。
契約した会社の下請け業者に施工を依頼すると、紹介料や手数料などの費用が発生し、その費用は外壁塗装の依頼者が負担しなければなりません。この費用は工事代金に含まれるため、中間マージンが発生しない自社施工業者を選ぶというわけです。
自社施工業者だと施工内容の伝達がスムーズに行き渡るため、伝達ミスによる工事の遅延やトラブルを防ぐメリットもあります。
また、外壁塗装は住んでいる地域の気温や湿度などの気候条件によってもタイミングが異なるため、エリアの事情に詳しい地域密着型の業者がおすすめです。
外壁塗装の工事が終わったあとに何らかのトラブルが発生した際にも、地域密着型の業者ならすぐに駆けつけて対応してもらえる可能性も高いでしょう。
工事前
外壁塗装を行うにあたって、工事を行うと連日のように業者の車が出入りするため、まずは近隣への挨拶が必要です。
騒々しさだけでなく塗料のニオイが近隣に及ぶ可能性もあるため、トラブルを防ぐためにも近隣に挨拶をして理解を得なければなりません。基本的には業者が近隣挨拶を行ってくれますが、可能であれば自身も一緒に挨拶をしておくとよいでしょう。
また、塗装工事が始まる前には現場確認も行われ、その際に足場設置や塗装作業の障害になりそうなモノを動かす必要もあります。その際には自身も立ち合いが必要となり、大事に扱ってほしいものや、塗料で汚されたくないモノがあれば伝えておきましょう。
外壁近くに車を駐車している場合、足場を組む際に障害となる可能性があるため、工事期間中は別の場所に駐車スペースを借りる必要が出てくる場合もあります。
工事中
外壁塗装の前準備が終わったら、以下の順番で工事が進んでいきます。
- 足場の設置
- 高圧洗浄
- 下地処理
- 養生
- 外壁塗装・下塗り
- 外壁塗装・中塗りと上塗り
- 完了検査
- 足場の解体
まずは高圧洗浄を行って塗装する前に付着したホコリや汚れなどを取り除き、次にひび割れやサビなどの劣化部分を補修する下地処理を行います。
塗装を行う前には塗料や汚れが周辺に付着しないように、塗装しない部分を養生シートですべて覆います。
最後は外壁塗装を実際に行っていきますが、下塗り、中塗り、上塗りで塗料を重ねていくのが一般的な流れです。下塗りが終わってから一定の乾燥時間を置き、中塗りの塗装を行い、さらに時間を置いてから上塗りをします。
外壁塗装が終わったら、足場を解体して塗装業者が道具を片付け、すべて完了となります。工事後に発行される保証書は大切に保管しておきましょう。
工事後
外壁塗装を行う場合、多くの業者にアフターサービスがついており、不具合が発生しても一定期間内であれば補修してもらうことができます。
アフターサービスの種類は、塗装を行った業者による自社保証、塗料メーカーによる塗料の品質に対するメーカー保証などです。
保証の範囲や対象、期間については保証書で証明されているため、契約する前にどのような内容になっているか確認しておく必要もあります。また、業者によっては保証期間中に外壁を定期点検し、施工不良があった場合に対応してくれるサービスもあります。
一方で、アフターサービスが一切ない業者は責任意識がない表れであり、トラブルがあっても対応してもらえないため注意しましょう。アフターサービスがあっても、業者によって対応のレベルが異なるため、サービスの詳細を確認しておくことも大切です。
まとめ
この記事では、外壁塗装・リフォームの特徴や他の工法との違い、必要性、流れなどを解説しました。
外壁塗装・リフォームは住宅の機能性や美観を維持するために定期的に行う必要があります。目安となる期間は10年に1回程度で、気候や外壁に使用している塗料、外壁材によっても異なります。
メンテナンスを行わずに放置していると建物は寿命を迎え、外壁自体の張り替えや、家を建て替えたりの対応が必要となるため注意しましょう。
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