外壁リフォームの費用相場は？必要性や費用を抑えるコツを解説

張り替えリフォームの費用

張り替えリフォームの費用相場は、150万円〜250万円です。

下地処理や既存外壁の撤去や処分に費用がかかるため、他の工法に比べるとやや高めとなっています。

外壁の張り替えリフォームとは、外壁材を撤去して新しい外壁材に張り替える工事です。古い外壁材を取り外す際に、外壁の中心となる防水シートや下地内部の不具合や劣化部分をメンテナンスできます。

また、建物の構造によって異なるものの、基本的にはリフォーム時に外壁材を自由に選ぶことも可能です。外観の大幅なイメージチェンジをしたい場合にも便利です。

塗装リフォームの費用

塗装リフォームの費用相場は、50万円～200万円です。

劣化部分を補修して新たな塗料を塗装し、外壁から失われた保護機能を回復させます。モルタルやサイディングの外壁が劣化した場合などに行うリフォームです。

施工費用そのものは他の方法に比べて安く、外壁の傷みが少ない場合や、デザイン・質感をそこまで求めない場合に最適な方法といえます。

塗装リフォームによって表面はきれいになるものの、性能は現状のままとなるため、継続的にメンテナンスが必要です。

重ね張りリフォームの費用

重ね張りリフォームの費用相場は、80万円～220万円です。

既存の外壁の上に新しい外壁を貼っていくリフォームで、古い壁を撤去しないため、張り替えリフォームに比べて費用は安くなっています。

既存壁を撤去する解体や撤去、処分にかかる時間が短縮されるのもメリットです。外壁が二重になるため、遮音性や断熱性も向上して住宅機能を高められます。

一方、重ね張りを行うと外壁が重くなるため、場合によっては耐震性に影響を与える可能性があります。さらに重ね張り工法ができる外壁材は限られており、施工可能なサイディングの種類が少ない点がデメリットです。

シーリング打ち替えリフォームの費用

シーリング打ち替えリフォームの費用相場は、30万円～50万円です。

シーリングとは外壁の継ぎ目やひび割れが生じやすい部分に専用の材料を入れ、外部からの水分や空気の侵入を防ぐことをいいます。シーリング材は日々の気候変動や外部からの影響を受け、劣化が進むと防水性や気密性能が低下するため、定期的な打ち替えが必要です。

シーリング打ち替えリフォームでは、既存のシーリングを除去したあと、新しいシーリング材をすき間に重点して建物の継ぎ目を塞ぎます。

なお、シーリング打ち替えリフォームでは地面から手の届く範囲なら足場の設置は不要です。高所作業になると足場の設置が必要になるため、足場の有無によっても費用は大きく変わってきます。

住宅の寿命を延ばす

外壁リフォームは、住宅の劣化を防いで寿命を延ばすために必要です。

家の外壁は日々の紫外線や風雨によって強いストレスを受けており、時間とともに少しずつ劣化していきます。長い年月でみると外壁にはひび割れや色あせ、塗膜剥がれが発生し、防水性能が低下して雨漏りの原因にもなりかねません。

雨風が部屋に侵入してくると住宅が腐食しやすい状態となり、住宅の寿命を縮めてしまい、安心して生活を送ることができなくなります。外壁リフォームを行わないまま放置していると、建物全体に被害をもたらして修繕費用も多くかかります。

すき間が生じることで冷たい空気が入ってきたり、害虫が侵入してきたりなどのリスクもあるでしょう。これらのリスクを防ぐためにも、定期的な外壁リフォームは欠かせません。

さまざまな機能を付加できる

外壁リフォームは、塗料によってさまざまな機能を付加できるため、住宅の機能を強化するうえでも欠かせません。

例えば、水辺に近かったり、日当たりが悪かったりする場所はカビや藻が発生しやすい特徴があります。防カビや防藻の機能を持つ塗料なら、塗装するだけでカビの発生を防ぐことができるでしょう。

最近では、雨水によって外壁の汚れが洗い流されるクリーニング機能や、太陽光によって外壁の汚れが分解される光触媒などの機能が付帯された塗料もあります。

遮熱性が高い塗料でリフォームを行うと、夏場は室内の気温上昇を防ぐ効果が期待できます。外壁リフォームによって付帯したい機能がある場合は、塗料選びもポイントになるため、業者に相談したうえで決めましょう。

美しい状態を保つ

外壁リフォームは、住まいの外観を一新させて美しい状態を保つためにも必要です。

住宅は経年劣化によって色あせや汚れ、コケなどの汚れが目立つようになり、新築当時の美しさも損なわれてしまいます。そのような場合でも、定期的に外壁リフォームを行うことによって、新築時の美しい状態を保つことが可能です。

これまでとは違う色を選んだり、塗り分けたりすることで、全体のデザインを一新させて住宅の印象を大幅に変えられるのもメリットといえるでしょう。

住まいの資産価値を守る

住宅が経年劣化して資産価値が下がることを防ぐためにも、外壁リフォームは必要です。

外壁リフォームが定期的に行われている住まいは、耐久性や美しさが保持されるため、リフォームされていない家に比べると資産価値も高くなります。将来的に住宅を売却しようと検討している場合、資産価値を保つことは重要といえるでしょう。

また、子どもに住宅を相続させようと検討している場合も、資産価値を守り続けることは大切です。

住宅の資産価値を守るためには、定期的にメンテナンスをし、予防的な修繕を行う必要もあります。こまめにチェックして対策することで、経年劣化によって大きな問題に発展する状態を回避し、資産価値の低下を防ぐことにつながるでしょう。

補助金を活用する

外壁リフォームでは、国や自治体が行っている補助金や助成金制度を活用し、費用を抑えられる場合があります。

外壁リフォームにおける補助金や助成金は、リフォームを行う際にいずれも国や自治体から一定の金額が支給される制度です。受け取ったお金は外壁リフォームにかかる費用に使用し、返済する必要もありません。

支給額は外壁リフォームにかかる費用の10％から20％が目安であり、20万円を上限としているケースが多くなっています。

補助金を活用するためには、申請する地域に住んでいることを前提に、国や自治体が定める細かな規定をクリアしなければなりません。申請をしてから結果が分かるまでには1か月ほどかかる場合もあるため、時間にゆとりを持って申し込みを行う必要があります。

屋根のリフォームも一緒に行う

屋根のリフォームも一緒に行うと、外壁リフォームの費用を抑えられる場合があります。

このケースだと屋根のリフォーム費用も別途かかることになりますが、どちらも定期的に必要となるため、タイミングを合わせた方が総費用を抑えられます。

屋根と外壁リフォームを同時に行うと節約につながる理由は、足場代を浮かせられるためです。どちらも高所での作業が必要となるため、従業員が安全に作業を行うために、足場を組まなければなりません。

足場代は住宅の規模によって異なるものの、15万～30万円ほどかかるケースもあります。

屋根と外壁リフォームを同時に行うと、1回分の足場費用だけで工事ができるため、費用の節約につながるというものです。また、同時にリフォームを行うと業者が出入りする期間を集約でき、近隣にかかる負担も小さくなります。

塗料のグレードを落とす

外壁リフォームの費用を少しでも減らすためには、塗料のグレードを見直し、必要に応じて落とすのも方法の一つです。

塗料の費用は種類によって異なり、光触媒や遮熱、フッ素系の塗料が高額である一方、アクリルやウレタンなどは比較的安価となっています。

塗料の価格が高いほど耐用年数も長い傾向にあるため、グレードを落とすと、次回の外壁リフォームまでの期間が短くなります。一方、外壁リフォームのスパンが短ければ、それだけメンテナンスの機会も増えるため、住宅の劣化や損傷に気づきやすいメリットもあります。

施工店に勧められるままに塗料を選ぶと、高額な出費になる可能性もあるため、まずは取り扱っている塗料やそれぞれの費用を確認しておきましょう。

自社施工店を選ぶ

外壁リフォームの費用負担を減らすためには、自分の会社で施工ができる自社施工店を選ぶのも方法の一つです。

外壁リフォーム業者の中には、下請け会社に現場の仕事を任せているところもあり、この場合だと下請けに対しての作業料金も発生するため費用が高くなります。自社施工店の場合だと、中間に入る会社がないため、その分の金額を抑えることができるのです。

また、自社施工店は下請けや元請けとの関係性がなく、トラブルがあったときも責任の押し付け合いがなくなります。例えば、「作業するのは下請けだからトラブルがあっても知らない」「作業は元請けの指示に従った」などの状況に陥ることもなくなるでしょう。

さらに作業者との連絡もスムーズに行われるため、連携不足も発生しにくく、効率よく工事が進みやすいメリットもあります。