定期的に行われる外壁塗装では自由に色を選ぶことができ、好みのスタイルに仕上げることが可能です。
しかし、外壁の色によっては汚れやすかったり汚れが目立ちやすかったりすることがあり、色選びで悩むというケースも少なくありません。
外壁塗装を検討している方のなかには、「汚れが目立たない色が知りたい」「なんで外壁は汚れるの?」と考えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、汚れが目立たない外壁の色と目立ちやすい色をはじめ、外壁が汚れる原因や色を選ぶときの注意点などについて詳しく解説します。
汚れが目立たない外壁の色
外壁の色選びは、家の美観を保つために重要な要素です。特に汚れが目立ちにくい色を選ぶことで、メンテナンスの頻度を減らし、長期間にわたって美しい外観を維持することができます。
ここでは、汚れが目立たない外壁の色を紹介します。
グレー
グレーは外壁の色として非常に人気があり、汚れが目立ちにくい色の代表格です。シックで落ち着いた印象を与えるだけではなく、実用的な面でも優れています。
グレーは外壁に付着する一般的な汚れ(排気ガスやホコリなど)の色味に近いため、汚れが目立ちにくいです。また、周囲の景観にも馴染みやすく、さまざまな建築スタイルに合わせやすいという利点もあります。
濃淡によって異なる雰囲気を演出できるので、好みや家の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
アイボリー
アイボリーは明るく爽やかな印象を与える色で、汚れが目立ちにくい色の一つです。白に近い色ですが、純粋な白よりも汚れが目立ちにくいという特徴があります。
アイボリーは膨張色であるため、家が実際よりも大きく見える効果があります。また、温かみのある色調のため、家の外観に柔らかさを加えることが可能です。
ただし、雨筋の汚れが若干目立つ可能性があるため、定期的なメンテナンスが必要です。アイボリーは全体的におしゃれな雰囲気に仕上がるため、モダンな住宅にも伝統的な住宅にも適しています。
グリーン
グリーンは自然と調和しやすく、特にコケやカビなどの汚れが目立ちにくい色です。淡いグリーンを選ぶことで、外壁の汚れを効果的に隠すことが可能です。
特に植物が多い環境では外壁の色と自然が一体化し、汚れがさらに目立ちにくくなります。
また、グリーンには心理的にリラックス効果があるとされており、住環境を快適にする色としても人気があります。濃淡や色味によって、和風から洋風まで幅広い建築スタイルに対応できるのも魅力的です。
ブラウン
ブラウンは温かみがあり落ち着いた印象を与える色で、汚れが目立ちにくい色の一つです。特に土や砂などの汚れが目立ちにくいため、自然環境に溶け込みやすいです。
濃いブラウンは重厚感を与え、淡いブラウンは柔らかい印象を与えるため、好みや家の雰囲気に合わせて選ぶことができます。
また、木材との相性も良いため、木造住宅や自然素材を多用した住宅にも適しています。経年変化による色褪せも比較的目立ちにくいため、長期的に美しい外観を保てるでしょう。
ベージュ
ベージュは飽きにくく落ち着いた印象を与える色で、汚れが目立ちにくい色として人気があります。中間色であるため、さまざまな汚れと同化しやすく、長期間美しい外観を保つことが可能です。
和風・洋風問わずさまざまなスタイルの家に合うため、汎用性の高い色として重宝されています。また、ベージュには赤や黄色の要素が含まれているため、陽の入り方によって色合いが変わる楽しさもあります。
温かみのある色調のため、家の外観に柔らかさと親しみやすさを加えることができるでしょう。
汚れが目立ちやすい外壁の色
汚れが目立ちやすい色を選んでしまうと定期的なメンテナンスが必要になり、手間やコストが余分にかかるリスクがあります。
ここでは、汚れが目立ちやすい外壁の色を紹介します。
ホワイト
ホワイトは清潔感があり、家全体を明るく見せるために人気のある色ですが、汚れが非常に目立ちやすいというデメリットがあります。
特に雨垂れや排気ガス、ホコリなどが付着すると黒ずんだ汚れが目立ちやすくなるため、定期的な清掃やメンテナンスが欠かせません。
ホワイトは紫外線による色褪せが少ないため、長期間にわたって明るさを保つことができますが、その分汚れが目立つことを覚悟する必要があります。
ブラック
ブラックはシックでモダンな印象を与えることから、スタイリッシュな外観を求める方に人気の色です。しかし、ブラックも汚れが目立ちやすい色の一つでもあります。
特にホコリや水垢が付着すると白っぽく見えるため、頻繁に掃除をしないと美観を保つのは難しいです。
また、ブラックは熱を吸収しやすい特性があり、夏場は外壁が非常に暑くなりやすいため、冷房費用が増加する可能性も考慮しておく必要があります。
原色系
赤や青、黄色などの原色系の色も汚れが目立ちやすく、色鮮やかで目を引くため、少しの汚れでも目立ってしまいます。
特に赤や黄色は紫外線による色褪せが起こりやすく、経年劣化が顕著に現れることがあります。原色系の外壁を選ぶ場合は、紫外線対策としてUVカット塗料を使用するなどの工夫が必要です。
また、これらの色は周囲の景観と調和しにくい可能性があり、周辺環境によっては悪目立ちすることも想定されるため、外壁の色は慎重に選ぶことをおすすめします。
外壁が汚れる原因
外壁の汚れは、さまざまな要因が複合的に作用して発生します。ここでは、外壁が汚れる原因を紹介します。
雨垂れ
雨垂れは、外壁の汚れのなかでも特に目立ちやすい汚れの一つです。窓枠やベランダの手すり、軒先などから流れ落ちる雨水が、外壁に筋状の汚れを作り出します。
この汚れは雨水に含まれるチリやホコリ、大気中の汚染物質が混ざり合って形成されます。特に白い外壁や明るい色の外壁では、雨垂れの汚れが顕著に現れやすいです。
雨垂れの汚れは時間が経つにつれて濃くなり、除去が困難になるため早めの対処が重要です。定期的な清掃や雨水の流れを制御する工夫を施すことで、雨垂れによる汚れを軽減できます。
チリ・ホコリ
チリやホコリは大気中に常に浮遊しており、外壁に付着する最も一般的な汚れの一つです。
これらの微細な粒子は風に乗って運ばれ、外壁の表面に徐々に堆積していきます。特に外壁に凹凸がある場合や表面が粗い素材の場合、チリやホコリが蓄積しやすいです。
また、雨水と混ざることで泥状になり、外壁全体を広範囲に汚す原因となります。都市部や交通量の多い地域では大気中のチリやホコリの濃度が高いため、汚れが顕著になりやすいです。
コケ・カビ
コケやカビは、湿度の高い環境下で繁殖しやすい生物性の汚れです。特に日照不足で風通しの悪い北側の外壁や、常時湿潤状態にある部分に発生しやすい特徴があります。
コケは主に緑色や黒色の斑点として、カビは黒色や灰色の斑点として外壁に現れます。これらの微生物は外壁の表面に根を張るため、塗装層を劣化させる要因になりかねません。
美観を損なうだけではなく、健康面でも悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
排気ガス
排気ガスは特に都市部や交通量の多い道路に面した建物において、外壁汚染の主要因の一つです。
自動車や工場から排出される排気ガスには煤や油分が含まれており、これらが外壁に付着することで黒ずみや茶褐色の汚れを引き起こします。
排気ガスによる汚れは時間とともに蓄積され、外壁全体にくすんだ印象を与えます。
さらに、排気ガスに含まれる酸性物質は、外壁の塗装を化学的に劣化させる原因にもなるため、注意が必要です。
外壁の経年劣化
外壁の経年劣化は、時間の経過とともに避けられない自然現象です。太陽光の紫外線、雨、風、温度変化などの環境要因により、外壁の塗装や素材が徐々に劣化していきます。
この劣化過程で外壁の表面が粗くなったり、微細なひび割れが生じたりすることで汚れが付着しやすくなるという仕組みです。
特に塗装の劣化は顕著で、チョーキング現象(塗料が粉状になって剥がれ落ちる現象)が発生すると、外壁の色が白っぽく変色し、汚れが目立ちやすくなります。
サビ
サビは、金属製の部材や金属成分を含む外壁材料特有の汚れです。主に雨水や湿気との接触によって引き起こされ、赤褐色や茶色の斑点として外壁に現れます。
サビは単なる外観上の問題だけではなく、建物の構造的な劣化にもつながる可能性があるため、早期発見と対処が重要です。
特に外壁に取り付けられた金属製の部品(雨樋、フェンス、看板など)からのサビは、雨水とともに外壁に流れ出して広範囲の汚れになることもあります。
外壁の色を選ぶときの注意点
外壁の色選びは、家の印象を大きく左右する重要な決断です。単に好みの色を選ぶだけではなく、さまざまな要素を考慮する必要があります。
ここでは、外壁の色を選ぶときの注意点を紹介します。
周囲の景観との調和を考慮する
外壁の色を選ぶ際は、周囲の景観との調和を考えることが非常に重要です。
自宅だけが突出した色彩になると近隣の家々との違和感が生じ、街並みの美観を損なう可能性があります。まずは、近隣の家々の外壁の色をよく観察し、全体的な色調を把握しましょう。
また、周辺の自然環境も考慮に入れることが大切です。緑が多い地域であれば、自然と調和するような落ち着いた色調を選ぶことで、より魅力的な外観を作り出すことができます。
周囲との調和を図りつつ、わずかな個性を出すことで美しい街並みの中で自宅を引き立たせることができるでしょう。
ツヤ感について考える
外壁の色を選ぶ際は、色味だけではなくツヤ感も考えるようにしましょう。一般的に、ツヤ消し(マット)、三分ツヤ、五分ツヤ、七分ツヤなどの選択肢があります。
ツヤ消しは落ち着いた印象を与え、汚れも目立ちにくいことが特徴です。一方で、ツヤありは光沢感があり、高級感や清潔感を演出しますが、汚れが目立ちやすいという一面があります。
ツヤが強いほど色が濃く見える傾向があるため、選んだ色味とツヤ感の組み合わせを実際に確認することが大切です。
色見本・シミュレーションを使う
外壁の色選びをする際は、色見本やシミュレーションを活用するようにしましょう。
色見本は実際の塗料を使用しているため、正確な色味の確認ができます。ただし、小さな色見本では実際の仕上がりがイメージしにくいため、A4サイズ以上の大きな色見本を用意してもらうのが理想的です。
一方で、カラーシミュレーションは家全体の仕上がりイメージを視覚的に確認できる便利なツールですが、画面上の色と実際の塗料の色は異なる場合があるため、あくまで参考程度に留めましょう。
最終的な色を決定する際は可能であれば外壁に試し塗りを行い、実際の仕上がりを確認することをおすすめします。
外壁を汚れにくくする工夫
外壁の汚れは避けられないものですが、いくつかの工夫をすることで汚れを目立ちにくくし、美観を長く保つことができます。
ここでは、外壁を汚れにくくする工夫を紹介します。
高耐久の塗料を使う
外壁の汚れを防ぐのであれば、耐久性の高い塗料が効果的です。
塗装のなかでもフッ素塗装や無機塗装は、汚れが付着しにくい特性を持っており、15年以上の耐久性が期待できます。
高耐久の塗料は外壁の美観を長期間保ちやすく、メンテナンス頻度も最小限に抑えられますが、施工コストが高額になる可能性があるため、予算内におさまるか事前に確認しておくことが大切です。
セルフクリーニング機能を備えた塗料を使う
セルフクリーニング機能を持つ塗料は、外壁の汚れを自動的に落とす効果があり、メンテナンスの手間を大幅に軽減することができます。
この機能は塗膜表面の特殊な構造や光触媒効果によって実現されており、親水性の高い塗膜は雨水を均一に広げ、汚れを洗い流すことが可能です。
セルフクリーニング機能を備えた塗料は外壁を長期間綺麗な状態で維持する効果が期待できますが、通常の塗料より価格が高くなる傾向にあるため、コストパフォーマンスを考慮して選択する必要があります。
定期的にメンテナンスをする
外壁を長持ちさせ、汚れを目立たなくするためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
基本的なメンテナンスとして、年に1〜2回程度の水洗いや軽い清掃を行うことをおすすめします。これにより、日常的に付着するホコリや排気ガスなどの汚れを除去し、外壁の美観を維持できます。
また、5〜10年ごとに専門業者による点検や補修を行うことで、塗膜の劣化や小さな損傷を早期に発見することができ、必要な対処ができるようになります。
ただし、塗装の劣化は適切なメンテナンスをしていてもいずれ起こるため、外壁の状態に応じて10〜15年ごとに塗り替えを検討することも大切です。
まとめ
この記事では、汚れが目立たない・目立ちやすい外壁の色をはじめ、外壁が汚れる原因や色を選ぶときの注意点などについて解説しました。
外壁の色は好きな色にしたいと考える方は多いですが、色によっては汚れが目立ちにくい・目立ちやすいがあるため、慎重に選ぶことが大切です。
また、外壁の色によっては周囲の景観と合わず悪目立ちをするリスクもあるため、周辺環境もしっかり観察・考慮したうえで選ぶようにしましょう。
『ホーム・インテリジェンス』は、外壁塗装と屋根リフォームの専門会社です。
外壁塗装のプロフェッショナルとしてお客様の要望を的確に捉え、汚れが目立ちにくい色の選定から施工までをトータルでサポートします。
定期点検のご案内や施工箇所以外の相談など、充実したアフターメンテナンスも実施していますので、外壁塗装を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。